
Release Date: Aug 10, 2016
大会に勝つために必要な情報、能力について
「自分のエゴを通す事が勝ちにつながる事ではない」と真剣な表情で粕谷さんは語る。
なにより大会に勝つことしかやらず、勝ちつながる動きのみをこれまで行ってきたと。
勝つために大切な事は下記の3点。
・世界で勝てる、評価される味を知る
・自分の美味しさの上限を上げる
・ルールをしっかり読む事
「世界で勝てる、評価される味を知る」
逆に、勝てない練習とは自分の中で比較してしまうこと。
比較対象は自分ではなく、世界中のコーヒー猛者であるため、たとえ自分至上最高のコーヒーを淹れることができたとしても勝ちにはつながらない。「世界で勝てる、評価される味を知る」ためには「世界で勝った、評価された味を飲む」のが一番だというのが粕谷さんの持論。
「美味しさの上限を上げる」
美味しさの上限をどこまで上にもっていけるかが勝てるかどうかのポイントになる。
実際に粕谷さんも去年・一昨年のチャンピオンのコーヒーを飲むため、両者が集まるタイミングでエチオピアの農園に行った。そこでチャンピオンのコーヒーを実際に飲み、また自分の淹れたコーヒーを飲んでもらい欠点を教えてもらった。
実際に足を運んで行った先に、自分の中の美味しさの上限が上がったとのこと。
美味しさの上限が上がらない限り、自分史上最高のコーヒーが世界レベルに達するのはかなり難しい。常に客観的になり、どこに自分の上限があるのかをアンテナを張っておくことが重要。
「ルールをしっかり読む事」
実はルールには詳しい優勝者の条件が書いている。そして、去年と変わったところ部分や、評価のポイントなども確認する事が大切。
例えば、今年は ”Acidity”、”Body”、”Balance” の3項目が2倍のスコアとして評価されるため、ルールをしっかり読むことで効率的なスコア獲得の為のレシピ・プレゼン組み立ての参考になる。
[PDF] 2016 World Brewer’s Cup 変更箇所ドキュメント ※英語
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最後に「そこまでやらなくてもいい」「このくらいでいい」と妥協してしまう事があるが、実はその先はある、それをするともっと良くなるという事は自分自身が一番知っていると語る。
なので、自分の中でこういう気持ちが出てきた時は、成長できる余白がまだあるとポジティブに捉えて、コーヒーに取り組んでくださいとまとめた。
粕谷さんの考える、いいコーヒーは?
いいコーヒーとは、飲み終わったあとに「あぁ、美味しいコーヒーだったなぁ」と余韻が残るコーヒーの事だと思います。
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