FOREIGN BARISTAS IN TOKYO. VOLUME 3 of 4 ANDREW CURRY of BLUE BOTTLE COFFEE

FOREIGN BARISTAS IN TOKYO. VOLUME 3 of 4 ANDREW CURRY of BLUE BOTTLE COFFEE

FOREIGN BARISTAS IN TOKYO. VOLUME 3 of 4 ANDREW CURRY of BLUE BOTTLE COFFEE

Release Date: Aug 21, 2017

1. あなた自身のことを少し教えてください。どんなことをしているのか、Blue Bottle Coffee の一員として日本に来るまでの経緯など、教えてください。

Blue Bottle Coffee Japan のマネージャーをしている、Andrew Curry(アンドリュー・カリー)です。始めはサンフランシスコのフェリービルディングにあるBlue Bottle Coffee でバリスタとして働いていました。働き始めた頃はまだ日本進出についての話はありませんでしたが、少しずつ、日本にも店舗を出すだろうという情報が伝わってくるようになりました。以前日本に住んでいて、日本が恋しいと思っていたので、自分にとっては嬉しいニュースでしたし、チャンスが巡って来れば日本に移ろうと考えていたタイミングでもありました。それから約6ヶ月後、アメリカの所属店舗でアシスタントマネージャーの役職の募集がかかったので応募してみることにしました。ただ、その時にこの役職に就いてすぐに日本に行くことになるのであればお店に迷惑がかかることになる、その場合は辞退したいと上司に伝えたことを覚えています。結果的には希望したアシスタントマネージャーになることができ、また私のチームに対する姿勢が、店舗のチーム全体の意思の形成に役に立っているという嬉しい言葉もかけていただきました。アシスタントマネージャーの役職はコーヒー業界特有のマネージャースキルの習得に役立ち、この経験は日本での役職に応募する際にも、役立ちました。それから9ヶ月、ついに日本に進出し、規模を拡大するという情報が公になりました。私はすぐに日本での勤務を希望し、2014年11月にスタッフのトレーニングや店舗の立ち上げの担当として、日本へ移ることが決まりました。ものすごく恐れ多さを感じながらも、日本で働けることが楽しみで仕方ありませんでした。そして、日本での生活を始めたのは2014年12月12日でした。

2. Blue Bottle Coffee が日本に上陸した時の注目度は前例のないほどでした。清澄白河の上空にはヘリコプターが飛んでいたり、どの電車に乗ってもポスターがあったり。この熱狂の理由は何だったのでしょうか。違うコーヒーショップの日本初上陸時にも同じことが起こりうるでしょうか。

原因は一つではなかったと思います。まず、James Freeman(ジェームス・フリーマン)が元から日本好きであったということ。長い時間を日本で過ごし、ここに住む人だけでなく、日本の職人芸、確固とした仕事に対する考え方、質を求める姿勢など、彼は日本文化の根本となるもの全てに敬意を払っています。彼が日本の喫茶店文化に影響を受けていることは有名な話で、よく完璧なコーヒー体験の例として挙げています。日本の文化に対する深い尊敬と、自分の店にもそのような文化を根付かせたいという強い気持ちが、自然と日本の人々に温かく受け入れてもらえる要因になっていたと思います。次に、私たちのコーヒーの品質と一貫性、そしていかにホスピタリティを大切にしているか、という点に関してはアメリカのお客様からの強い信頼を得られていたということがあります。これは国際的な知名度を上げることになり、日本の方々にも受け入れやすくなったかと思います。私たちの時に起こったことがもう一度起こるかどうかは分かりませんが、全ての事柄がぴったりと良いタイミングで起こり、清澄白河のみなさんはじめ、多くのコミュニティにとても歓迎していただき、応援していただけたことは、感謝しきれません。

3. 一度もBlue Bottle Coffee を体験したことがない人にBlue Bottle Coffee をどう説明しますか? どんな体験が期待でき、どんなメニューがありますか?

(Blue Bottle の)メニューは「ちょうど良い数の中から選択が可能」だと説明します。全ての店舗で、2種類から選べるドリップコーヒー(日替わりで3種類のブレンドコーヒーの中から1つと、季節ごとでオススメが変わるシングルオリジンコーヒーが1つ)、エスプレッソ(ブレンドコーヒーかシングルオリジンコーヒー)、マキアート、ジブラルタル、カプチーノ、ラテ、モカ、ホットチョコレートを用意しています。他にもチコリで風味づけをした甘いアイスのミルクコーヒー「ニューオリンズ」、水出しのブラックコーヒーの「コールドブリュー」、季節のアイスドリンクでは、レモネードやカスカラティーをベースにしたオリジナルドリンクなど。フードも美味しいものばかりで、特に青山店はメニューが豊富です。

4. アメリカに比べて、東京で働くのはどうですか? ここではどんなことに取り組んでいますか?

日本人はサービスであろうと商品であろうと、自分たちがお金を払って受けることに対する期待値がとても高く、私たちは常に最高のものをお客様に提供し続ける努力をしなくてはいけません。お客様が求めているというより、私が本当に一番驚いたのは、日本ではどのバリスタも、お客様に最高の味と最高のサービスを提供するために、自分の時間を惜しまずに勉強や研究をするという姿勢が当たり前になっているということです。もちろんこれはアメリカのバリスタたちが研究熱心でないということではないし、むしろその逆ではあるのですが、日本ではチームに貢献するということが非常に大きな意味を持っていて、貢献するためには、できる限り自分自身を成長させることだということです。

5. 東京とアメリカのコーヒーカルチャーの違いについて教えてください。

一つ大きな違いは、エスプレッソドリンクとドリップコーヒーの割合です。多くのアメリカ人はカフェでミルクベースのものを注文することが多いと感じる一方、日本人はドリップコーヒーの方が多いと感じます。

6. 今の日本のコーヒー業界における最大の強みと1番の問題は何だと思いますか?

東京のコーヒーコミュニティの親密さは大きな強みだと思います。このコミュニティの中の人々の多くは、何らかの形でサポートし合っています。正直、対処する必要があるような大きな問題は見当たらないです。

7. 日本人バリスタ/スタッフについてどう思いますか。彼らの態度や仕事の仕方について教えてください。

日本人のバリスタたちと一緒に働けるのは光栄なことです。チームでの成功を大切にし、みんな本当によく協力して働いています。前の質問でもお話したように、グループとしての一体感はとても大切で、これはバー内でのスムーズな作業に繋がります。

8. 仕事以外の時間はどのような東京生活を送っていますか?

写真を撮りに出かけたり、東京や他の都市を観光しています。時間があれば、月に1回は東京以外の場所に旅行するようにしています。

9. 日本に来る人に、東京での理想的な1日の過ごし方を教えてください!

私ならばBlue Bottle Coffee 青山カフェでサイフォンコーヒーとポーチドエッグトーストから1日を始めます。その後は根津美術館まで歩いて、美しい日本庭園と前近代の日本・東アジア美術のコレクションを堪能します。次は皇居に行って広い敷地を散歩して、写真を撮りながらお腹が空くのを待ちます。昼食は半蔵門線に乗って清澄白河へ。「こうかいぼう」というラーメン屋が東京で一番好きです。食べたあとは眠くなるので、清澄白河ロースタリー&カフェArise Coffee に食後のコーヒーを飲みに行きます。初めて日本を訪れている人なら地下鉄で10分ほどしかかからないので、絶対に浅草の浅草寺とその周辺に行ってみるべきです。数時間浅草を楽しんだ後は、15分ほど歩いたところにある合羽橋通りに行きます。ここは家庭用品、ナイフ、飲食店用品も有名ですが、コーヒー器具と食品サンプルの店がおもしろいです。いくつか本物にしか見えない寿司の食品サンプルを買った後は隅田川の方に戻って、南に下って蔵前駅へ向かいます。この頃には夕食の時間になっているので、是非蔵前の「結わえる」に行ってみてください。ここのみそネギ焼おにぎりがすごく美味しいので。夕食後は渋谷に戻ってFuglenでカクテルか、Mikkellerでクラフトビアを飲みに行きます。もちろんこれは東京でできることの本当に一部でしかありませんが、私の定番はこれです。

Andrew のInstagram はこちら @a_curry

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Interview by Vaughan (@vja)
Photography by Nik van der Giesen (@nvdg81)

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