THE LAGERPHONES TALK COFFEE IN TOKYO

THE LAGERPHONES TALK COFFEE IN TOKYO

Release Date: Jul 31, 2015

ザ・ラガーフォンズはメルボルンのパーティ・ジャズバンドだ。彼らは日本でのデビューツアーを終えたばかり。10日間で12回、普段はライヴの行われないカフェなどが舞台となった。使われたのはゲストハウスNui.、Fuglen TokyoDAVIDE COFFEE STOP、そしてLittle Nap主催の、毎年恒例イベントYO!YO! GIGへの参加として、COMMUNE246でもライヴを行った。今回わたしたちは、ザ・ラガーフォンズの6人のメンバーに日本のコーヒーについてコラムを書いてもらった。昔ながらの喫茶店、サードウェーブコーヒー、そして缶コーヒーについての彼らの想いに触れていただきたい。

 

Hatou-3

 

ザ・ラガーフォンズの想う【喫茶店】

Ben Harrison

喫茶店 コーヒー農家の その先へ

沈黙に ふるさとの声 木魂する

見慣れない カップに香る あたたかさ

新しい 故郷へ結ぶ その風味

感覚が 扉を開き 導くは

一杯の コーヒーが繋ぐ 可能性

Marty Holoubek

2012年に故郷である南オーストラリアのアデレードを離れ、「コーヒーの首都」メルボルンへ移ってからというもの、トレンドのカフェやコーヒーショップに頻繁に入り浸っていた。どこも自分のコーヒーが一番だと言い、様々な抽出方法を持っていて、一瞬で何杯ものコーヒーを淹れることができた。そんな環境に感化されてしまって、この僕でさえ、計量器やフィルター、グラインダーやらなんやらを集めて、エアロプレスをマスターするのに何時間も費やすコーヒー・ファンになってしまっていたのである。だから余計に、茶亭羽當には衝撃を覚えた。ここで重きが置かれているのは、コーヒーを淹れる過程全体の儀式的な流れだ。完璧にバランスが取れたドリップコーヒー(ハンドドリップ)を抽出するため、充分に時間を掛ける。使われるのはオールドビーンズだ。(そう、文字通り、寝かせたコーヒー豆である)この「儀式」の様子は、とても見応えがある。マスターたちの動きやテクニックは隅々まで考え抜かれていて、素晴らしい経験を味わわせてくれるのだ。茶亭羽當、なかなか凄すぎる。

茶亭 羽當
http://en.goodcoffee.me/coffeeshop/satei-hato/

 

Canned Coffee-1

 

ザ・ラガーフォンズの想う【缶コーヒー】

James Macaulay

東京に来る観光客が最初に気づくのは、やたらと色々な場所で目にする自販機の缶コーヒーの存在だろう。一日中いつでもどこでも、100円前後で簡単に一缶のカフェインを摂ることができる。メルボルンのように、大したこともないくせに思い上がっているバリスタのために、外国産のコーヒー豆と人気のコーヒー豆、どっちを選ぼうかなど考える必要もない。日本のバリスタは優しくてフレンドリーで、コーヒーの味も良いけれど、手軽な一缶が欲しい時もあるのだ。

Nick Martyn

最初の一口で、子どもの頃に引き戻される。高温殺菌のミルクが安心感と親密さと共に、家族で行ったスキー旅行の記憶を呼び起こす。甘く、ミルキーな美味しさとはっきりしたコーヒーの味は、どんな子どもも、もちろん大人も充分満足させられるだろう。複雑な風味も、質の高いエスプレッソの深みも無いかもしれないが、例えばワンダやエメラルドマウンテンは、そのどちらも目標にはしていないだろう。缶コーヒーは、コーヒー通のためのものではない。普通の人たちが、通勤の途中や、外出中、外出前の息抜きに、リラックスするために飲むものなのだ。最後の一口を飲む時には、思わず笑顔になってしまうこと間違いなしである。

 

Fuglen-1

 

ザ・ラガーフォンズの想う【サードウェーブコーヒー】

Jon Hunt

メルボルンに住んでいると、美味しいサードウェーブコーヒーには事欠かない。しかしFuglenとOmotesando Koffeeでの体験は、完璧な独自性があり、記憶に残るものだった。渋谷の街を歩いたあとのFuglenのノルウェー風の内装にはストレートに衝撃を受けるし、暖かな木の造りは美しいミニマリズムの極みだ。メルボルンでは木造のものが流行ってはいるが、Fuglenのそれとは全く違う。

FuglenとOmotesando Koffeeについて特に素晴らしいと思うのは、コーヒーを淹れる行程全てが本当に緻密で、完璧である点だ。全てとても丁寧に、細かいところまで考えられている。自分のコーヒーが淹れられている様子に、半ば催眠術をかけられたかのようにじっと見入ってしまうほどである。

Louis King

メルボルンでは街角全てに必ず一つはカフェがあって、バリスタが淹れる様々な種類のコーヒーがきちんと揃っている。どのカフェも同じように感じてしまうこともあるほどだ。人でいっぱいのコンバート・ミルクバー(オーストラリアのコンビニ)で、誰もが「ここじゃない」感を出しているのと似ているかもしれない。けれどFuglenに一歩踏み入れた時、今までとは全く違う感覚を覚えた。置かれている家具は素晴らしく、スタッフも皆フレンドリー。そしてコーヒーを口にした瞬間・・・・・間違いなく、メルボルンの9割のカフェのコーヒーより美味しかった。この時の気持ちは、カウンターの向こうのバリスタにアイコンタクトでばっちり伝えた。メルボルンはコーヒーについて、東京に学ばないといけないことがたくさんあるね!(ちなみに、僕がFuglenで一番好きなのはアイスダブルラテ。)

Fuglen Tokyo
http://goodcoffee.me/coffeeshop/fuglen-tokyo/

 

– by The Lagerphones

Photography by Nik van der Giesen

Translation by Aoi Nameraishi

 

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