Release Date: Mar 13, 2017
コーヒー先進国のオーストラリアで活躍する4名の日本人バリスタ・ロースターの方々にインタビューさせていただきました。これまでの経緯や現地のコーヒー事情、またなぜ活動拠点をオーストラリアにされたのかなど伺いましたので、ぜひご覧ください。
Toshiyuki Ishiwata / Market Lane Coffee
・コーヒーに携わるお仕事を始められたのはいつからですか?
2005年(メルボルン)です。
・これまでの経歴を教えてください。
メルボルン地元のカフェ5箇所で働きその後「セイント・アリ」でバリスタからヘッドバリスタ、ヘッドロースター、クオリティ・コントロールとして4年半働き、2010 年より「マーケット・レーン・コーヒー」でヘッド・ロースターとクオリティ・コントロールを勤めます。2012年からコーヒー農園を訪問し去年からブラジルの農園のコーヒーを毎年買い付けてます。
・活動の拠点をオーストラリアにされたきっかけは何ですか?
美味しいコーヒーとの出会いはニュージーランドのクライストチャーチに住んでいた時です。その時の友達が「メルボルンはカフェがたくさんあるしコーヒーカルチャーが盛んだよ」の言葉がきっかけです。
・オーストラリアのコーヒー事情に変化はありますか?
街中歩いても至るカフェや小さなレストランまでエスプレッソマシンを目にすることがあるほどで、コーヒーを飲む文化は昔から根付いてます。ですがスペシャルティーコーヒー、マイクロロースター、カフェロースタリーが出回り始めたのは10年前頃です。その時の変化はとても大きかったです。これからも品質の良い生豆、フィルターコーヒーの消費量、マイクロロスター、カフェロースターは増えると思います。
・オーストラリアにおいて、バリスタやロースターという職業はどんなイメージですか?
現地の人からはバリスタは残念なことにバイト感覚にみられます。学生さんも多くせっかく身につけた知識や経験も仕事が決まるとやめてしまう人も少なくないです。
ロースターはバリスタより専門職(職人)のイメージがあるようです。
・近年オーストラリアにコーヒーについて勉強しに行く日本人が増えているそうですが、実際学べる環境や経験できる機会が充実していますか?
最近はワーキングホリデービザ、学生ビザでバリスタコースを受けられる方も年々増えてます。アジア人のバリスタも昔と比べだいぶ増えてますのでとても働きやすい環境だとおもいます。
いろいろなロースターで行われているパブリックカッピング、カフェごとに違う焙煎や生豆などカフェ巡りをするだけでも刺激を受けると思います。マーケットレーンでもエスプレッソ抽出クラスや
自宅でのコーヒー抽出クラス、ロースティングクラスも行ってます。
これからコーヒーを学びにオーストラリアを行くことを考えられている方へのメッセージですが、最低でも日常会話ほどの英語は話せるくらいでないと駄目だと思います。バリスタの技術があるからといって現地のカフェで働くのは難しいです。
昔の話ですが、僕がメルボルンに来たばかりの頃は日本人のバリスタはもちろんの事アジア人のバリスタも見かけませんでした。仕事探しにも苦労をしましたし、150件以上のカフェに履歴書を持っていっても見つからないほどでした。
現地の人たちは日本人に対してとても良い印象を持ってます。そのイメージを崩さないよう頑張ってもらいたいです。
・今まで飲んだ最高のコーヒーは?
7年〜8年前に飲んだブラジルのカキエンジ農園です。
子供のころ父の仕事の関係でブラジルに住んでいて、休みになると父は僕と弟を牧場に連れて行ってくれました。牧場の横にサトウキビがあったのですが、それを父は鉈で切って「噛んで吸ってみてご覧」と僕らに手渡してくれました。そのサトウキビの味、子供のころの思い出が、メルボルンで知人が淹れてくれたコーヒーを飲んだ瞬間ぶわっと蘇ったんです。ブラジルのカキエンジ農園の豆でした。
・尊敬するバリスタ、ロースターさんはいますか?
たくさんいますので一人に絞れません。すみません。
・自分のお店以外のおすすめのコーヒーショップ(メルボルンの)を教えてください。
Slater Street Bench
Altius
Aucuba
Maker Fine Coffee
Patricia
Seven Seeds
Auction rooms
Kettle Black
Higher Groundです。
(次のページは、Artificer CoffeeのSoji Sasaさんのインタビュー)