FUGLEN TOKYO 小島賢治氏スペシャルインタビュー (前編)

FUGLEN TOKYO 小島賢治氏スペシャルインタビュー (前編)

FUGLEN TOKYO 小島賢治氏スペシャルインタビュー (前編)

Release Date: Mar 13, 2015

S_ 海外に行って、結局はなんで今の場所にFuglen Tokyo を作ろうって思ったの?

K_ ここですか? 実はいろんな運命が絡み合って・・・

この物件の持ち主が、日本人とノルウェー人のハーフの方で、Fuglen オスロの常連客だったんですよ。
それで、「今いい物件あるけど見てみる?」と言われて、そのまますんなり決まったという感じです。

Fuglen 自体は家具屋から始まったという側面もあるから、中目黒とかの物件を探していたんですよ。
だけど、色々と物件を見た中で、「あー、やっぱりスタートとしてはここがいいな」と思いました。

そう、Fuglen ってインテリアショップなんですよね。

ノルウェービンテージっていうのを見ながら、座っている椅子とかも買える。
そこで、コーヒーやお酒が飲めるっていうところだったんですけど・・・

実は本国オスロの方では、むしろコーヒーよりもお酒の売上の方が高いんですよね。実際にお酒の方が有名ですし現地にはロースターもありません。

でも東京は、なんかこういうコーヒーのブームとかがあって、コーヒーが売れるじゃないですか。
それで、うまいコーヒー屋っていうイメージがついちゃって。エアロプレスとか(笑)

でも本当は、あんまりコーヒーがどうとか押してなくて、ノルウェーの本店と同じ時間の流れ方を体験してほしいなって思っています。

ノルウェーが好きな人が来たりするんですよ。
本店に行かなくても同じ時間の流れと味が飲めるっていうのが面白いじゃないですか。

 

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S_ 今後はどうするの?焙煎機入るの?それは言えないの?(笑)

K_ 焙煎しますよ。それで、シェアをぶっ壊してやろうと思ってます(笑)
価格も見直して、業界をひっくりかえしたいです。

やり方としては Transparency(透明性のあるビジネス)を目指しています。
例えば Tim Wendelboe というノルウェーのロースターが実際にやっているんですが、うちはこのぐらいの豆を買って、このぐらいを売って、このぐらいをポケットに入れていますよ。どうですか?といった感じです。

「フェアトレード」って言われる事もあるのですが、もっとその・・・農園に対してっていうよりは、そんなに盛っていませんよっていうのも言いたので。

 

S_ フェアトレードと一緒だよね?

K_ いや、透明性のあるビジネスと言って下さい(笑)
業界ではフェアトレードって全然良くないじゃないですか。

 

S_ お金取るって事は普通の業界と変わらないじゃない。

K_ お金はとりますよ。
だってそれがないと実際に農園にも行けないし・・・そういう飛行機のチケットにも使っていますよっていうのも、ちゃんと伝えたいですね。あとは週に一回はステーキ食べていますよとか(笑)

 

S_ あとは豆販売とか卸しとかもするんでしょ?

K_ そうですね、やる予定ですね。
一応今決まっているのは、UA BAR、INTERSECT BY LEXUS、Bar Zingaro
あとは関西圏だと TRUCK FURNITURE の併設しているカフェとか・・

 

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S_ いつから焙煎は始めるの?

K_ 7月(2014年)ですね。そのうちエスプレッソはうちが全部やって。
そしたら今使っている Tim の豆は使わなくなりますね。

だから、もうちょっと生豆の仕入れ方とかをアピールしていきたいなと思っているんです。
一応名前は Fuglen Coffee Roasters で、生豆の仕入れは中米とかに特化したノルウェーの会社を予定していますね。

 

S_ 元スタッフの鈴木さんが TRUNK COFFEE BAR を立ち上げるけど、そこはどうするの?

K_ TRUNK COFFEE は別ですね。
恐らく、うちからは買うことは無いと思いますが、生豆は同じかもしれないですね。
これについてはどうしてもレートが大きくなるので、共同で買って、助け合わないとと思っています。

それに、あと東京だと Switch Coffee とかも美味しいじゃないですか。
だからそうやって技術もあって、あとは何で差別化をするかって考えたら、生豆を変える事しかないですよね。

 

S_ なるほどね。ちなみに Fuglen Coffee Roasters の場所はどこにするの?

K_ 神南ですね。ハローワークの近くです。
実際ここでの豆販売はまだ考えてないんですが、エスプレッソマシーン等を入れて、トレーニングルームやカッピングルームにしたいなと。

それで、バリスタチャンピオンシップも参加して、そういうコンペティションで勝っていきたいですね。
だって、そういう所で勝っていかないと、みんな正しいと信じてくれないので・・・

 

S_ 確かにそうだよね。それで、Fuglenではどうやって技術を教えているの?

K_ 全部僕が教えています。
まぁ、空輸した豆に対してはすごく難しいですけど、うちでは本当に全部教える様にしています。
なぜかと言うと、例えば現場でやっていることが全部真似されるとするじゃないですか。
でも実際には絶対に真似できないんですよ。

今 Fuglen のコンセプトをそのままどこかでやるとしても、絶対的な厚みの差が出てしまうので、全然真似していいよってスタンスですね。オーナーも!
そのかわり、絶対に真似出来ないからって。

 

S_ Fuglen Tokyo でバリスタをやっていて、実際に経験して感じたこととかってある?

K_ 感じたことというか、やっていきたいなって思っているのは、納得できるちゃんとした「素材」を仕入れて、それをおいしく抽出して「あぁ美味しかった・・」という様な、自分にきちんと自信が持てるものを作っていきたいなと思っています。
そういうの部分というのは、なかなかお客さんには伝わりづらいんですけどね。

言ってみれば、「ロースターが出したい味を抽出する」っていうような事ですが、それが一番大事だと思ってます。
例えば Tim だったら、彼がこういう味を出したい、表現したいっていうのを実際に再現するのが現場のバリスタですよね。言ってしまえばバリスタは味を作らないんですよ。

だから、バリスタで止まるのもいいし、その次のステップに進むのも自由なんですけど、結局バリスタっていうのは味を作らないんだと思います。

 

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S_ じゃあ、ロースターが味を作るって事?

K_ そうですね。その味をどこまで再現できるかがバリスタの能力にかかっていると思います。

 

S_ もうロースターで焼いた豆って使っているの?

K_ エスプレッソは焼いていますね。
試したんですけど、厚みがあって結構美味しかったですね。
今はブラジルのナチュラルを使っているんですけど、最近のブラジルのナチュラルってそんなに強くないんですよ。それにナチュラルなのにきれいだし。

 

S_ とりあえずはブラジルナチュラルを使うの?

K_ しばらくは使いますね。
あと、ドリンクアプローチはアフリカの豆を考えています。
4、5種類ほどで、ブルンジやルワンダ、まあケニアもそうだし、あ、中米のコロンビアとかも取りたいですね。

 

S_ これから東京のコーヒーカルチャーってどうなると思う?

K_ そうですね、サードウェーブの本物が日本に上陸しますからね。
例えば Blue Bottle Coffee とか Four Barrel Coffee とか。
どうなっていくんですかね。
結局、スペシャルティコーヒーみたいなのがこのまま普及していって、当たり前になった時に、誰もそんな事に興味持たなくなるじゃないですか。普通になりすぎて。
それもちょっと寂しいですよね。

このまま頑張っていかないと、もう誰も何も言わなくなると思いますね。
結局カフェは、周辺の半径2km以内くらいの人しか来ないじゃないですか。

だから、実際にくるお客さんへのサービスはもちろんなのですけど、農園まで行って、そこの人まで幸せになれるような、そんな役割を担えるカフェが増えるといいなあと思います。

透明性のあるビジネスをしてほしいですね。
例えば、ノルウェーっていう国はすごく透明性のあるビジネスで有名なんです。国の予算とかも全部見られるんですよね。
そんな国から来ている会社だから何も隠せない。そんな感じですかね。

 

column06

 

S_ 久しぶりに色々話せて楽しかったよ、ありがとう

K_ いえいえ、こちらこそありがとうございました。

 

(後半へ続く )

 

Fuglen Coffee Roasters 情報

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