Release Date: Dec 11, 2015
コーヒードキュメンタリー映画「A Film About Coffee」の公開を記念して、来日中のブランドン・ローパー監督(以下BL)にインタビューさせていただきました。渋谷・茶亭羽當にてコーヒーを味わいながら、彼は映画や日本のコーヒーについて語ってくださいました。
編集者(以下GC): 映画「A Film About Coffee」を撮る際、コーヒーカルチャーを牽引する都市の一つに東京を含めた理由を教えてください。
BL: もともと僕はアメリカ・アラバマ州の出身ですが、2008年にサンフランシスコに移住しました。
そして初めてブルーボトルコーヒーに行きました。ブルーボトルで使用する器具や抽出方法は、日本のコーヒーカルチャーに大きな影響を受けていることを知り、その日本にもとても興味を持ちました。
仕事で東京に行くことが決まった時、ジェームズ・フリーマン氏(ブルーボトル創業者)から ”東京のおすすめコーヒーショップ” 例えば、大坊珈琲店、ベアポンド・エスプレッソ、オモテサンドウコーヒーなどを教えてもらい、実際に行ってみました。それがきっかけで東京という都市や、東京にあるコーヒーショップが大好きになり、ぜひ僕の作品で紹介したいと思いました。そしてその後5
回くらい東京に行きました!
GC: 映画で紹介した日本のコーヒーショップはどんな理由で選んだのですか?
BL: 実は…ここ茶亭羽當にも撮影オファーをしました(笑) 残念ながら今回は実現できなかったのですが。東京には紹介したいお店がたくさんありましたし、A Film About Coffeeで撮影したいと選択したお店には、それぞれの良い経験が根付いていました。大坊珈琲店からは古くからの伝統やスピリチュアルさを、ベアポンドからは新しくて独創的な面白さを…違いがあることが魅力であり、その素晴らしさをぜひ映画を観てくれる人に伝えたいと思いました。
アメリカ人はよくコーヒーを家や、音楽のかかる大きなカフェでPCや携帯を触りながら飲むことが多いです。でも日本のコーヒーショップは、音楽もかけずに、撮影も禁止で、とにかく一杯のコーヒーを味わうことに集中できる環境空間があると思います。それが文化の違いであり、日本の素晴らしさだと僕は感じました。
GC: 今回、また日本を訪れてみて、日本のコーヒーカルチャーで以前と変わったことはありましたか?
BL: はい、ありました。これまで5回程日本を訪れていますが、2010年に初めて来た時と比べて、今日本には行きたいコーヒーショップが溢れています。友人も色々なお店を紹介してくれましたが、行ききれない程です。
大坊珈琲店やオモテサンドウコーヒーの閉店はとても寂しいですが、ベアポンドなどまだまだ素晴らしいお店がたくさんありますし、新しいお店が増えることも良いことだと思います。
GC: A Film About Coffeeを撮る際、最も困難だったことはなんですか?
BL: 時間が短く限られていたことです。撮影チームの仲間が他の仕事をやりながらだったということもありますし、東京の各店舗での撮影時間もとにかく短かったです。大坊珈琲店は1時間でしたね。
逆にルワンダでの撮影が一番長かったのですが、コーヒーというテーマの大きさを実感し、それをいかにまとめて伝えるかがすごく難しかったです。まわりの仲間に相談したことで、良いアングルを見つけることができたと今は思っています。
GC: 伝統的な喫茶文化とサードウェーブカルチャーがどちらも存在する日本の状況をどう思いますか?
BL: 面白い。アメリカと日本のコーヒーシーンの違いはもちろん、伝統的な喫茶文化に、影響を受ける新しいコーヒーショップがあることも本当に面白いと思います。古くからの喫茶店もサードウェーブ系の今時のお店も、どちらも楽しめる日本人はラッキーですね。
GC: 今後はどんな作品を撮られる予定ですか?
BL: 僕はCMを撮ることが多く、今も撮影しています。でも今後はエピソード的なドキュメンタリー、具体的には飲み物、コーヒーやワイン、バーボンなどそれぞれにフォーカスした作品をつくりたいと考えています。コーヒーだったら、その物語や人…まだ内容は内緒です(笑)
GC: 監督、撮影の合間を縫って貴重なお時間を頂戴し、本当にありがとうございました。A Film About Coffeeの公開、さらに今後の作品も楽しみにしております!またぜひ日本にいらしてください!!
Special thanks : Stace Tan (YABAI YABAI)
コーヒードキュメンタリー映画 “A Film About Coffee”は、12月12日(土)から東京・新宿シネマカリテにて上映開始!詳しくは下記をご覧ください。