Release Date: May 19, 2014
「消費者の手に持つカップの中のコーヒーの液体の風味が素晴らしい美味しさであり、消費者が美味しいと評価し、満足するコーヒーであること」
スペシャルティコーヒーの定義はまだ完全に確立されてはいませんが、これがフレーズとしては最も”スペシャルティコーヒー”をイメージしやすいかと思います。
具体的には、生産国においての栽培管理、収穫、生産処理、選別、そして品質管理が適正になされ、欠点豆の混入が見られない焙煎豆であり、さらに適切な抽出がなされ、カップに生産地の特徴的な素晴らしい風味特性が表現出来ていることがスペシャルティコーヒーの条件ということになります。
あとはスペシャルティコーヒーと一般のコーヒーの違いですが、SCAAのカッピングスコアシートというコーヒーの評価表があり、このスコアシートの評価でスペシャルティコーヒーかどうか判別されます。
評価項目は以下10項目。
1.Fragrance/Aroma(フレグランス/アロマ)
液体から漂う香り2.Flavor(フレーバー)
液体を口に含んだ時の風味3.Aftertaste(アフターテイスト)
後味4.Acidity(アシディティ)
酸味・果実味5.Sweetness(スウィートネス)
甘さ6.Body(ボディ)
コク、質感7.Balance(バランス)
調和8.Clean cup(クリーンカップ)
透明度9.Uniformity(ユニフォーミティ)
一貫性10 Overall(オーバオール)
コーヒーの豆からカップまで、すべての段階において一貫した体制・工程で品質管理が徹底している事が必須ですし、評価項目を見てもらえばわかりますが、チェックは豆の状態でなくカッピング(試飲)なので、良質なコーヒー豆を仕入れても、焙煎や販売管理を徹底しない限り、スペシャルティコーヒーとは呼べないのです。
歴史的には1978年フランス・モントリオールのコーヒー国際協議会でEma Knutsen女史が使用した言葉がスペシャルティコーヒーの語源と言われ、当時の大量生産・大量消費の時代から、消費者のコーヒーに対する意識が品質向上へと移行、その後1982年にアメリカでスペシャルティコーヒーという概念の共通基準を定める協会SCAA(specialty coffee association of america)が誕生し、知れ渡ることになりました。
日本でも最近はテレビ、雑誌等のメディアにも取り上げられることが増え、徐々にですが、“スペシャルティコーヒー”がカルチャーとして広がりをみせているように感じています。