TRUNK COFFEE BAR スペシャルインタビュー

TRUNK COFFEE BAR スペシャルインタビュー

TRUNK COFFEE BAR スペシャルインタビュー

Release Date: Aug 26, 2014

今回8月にオープンした名古屋のコーヒーショップ「TRUNK COFFEE BAR」の鈴木氏、そして同店舗で働く若きバリスタの安部氏、神谷氏に名古屋のコーヒーカルチャーやこれからのコーヒーシーンに対する熱い思いを語ってもらいました。

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編集者(以下GC): 本日はお忙しい所、ありがとうございます。
まず始めに鈴木さんが滞在して感じたデンマークと東京、そして今回の名古屋のコーヒーカルチャーの違いをお伺いしたいのですが。

鈴木: 実は正直、東京に行ったときちょっとショックだったんですよ。
デンマークだと、普通みんなカフェで2,3杯飲んだ帰りに、さらにToGoして帰るみたいな感じなんですが、東京ではみなさん1杯だけが多いですよね。中には2,3杯飲む方もいらっしゃいますが、やっぱり少ないです。

美味しいコーヒーを飲むためには、美味しいコーヒー屋さんめがけて行かないと行けないというか。
そういう所が東京に来て、あぁ、ちょっとまだコーヒーの文化が違うんだなと思いましたね。

その後、名古屋に来て思ったのが、そもそもコーヒー屋さんに行くという感覚自体が無いという感じでした。

GC: コーヒー屋さんに行く感覚が無いと言うのは?

鈴木: 名古屋って、独特のモーニング・喫茶文化というのがあるんですが、それが本当に根強くて。コーヒーを飲みに行くというよりは食事と一緒にコーヒーって感じなんです。

たぶん今までみんな、それをひっくり返すとか、新しい事と共存させるという事をやってこなかったのかなって。

GC: なるほど。確かに名古屋の人の朝はモーニングを食べるって印象強いですね。

鈴木: そうなんです。

でも、よく名古屋は東京の5年遅れでブームが来ると言われているんですけど、こうして実際にお店を開くと、けっこうコーヒー好きが多いんだなっていうのを感じましたね。

 

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GC: 現地で店舗を構える事で、新しいコーヒーの文化に対する潜在ニーズを感じたという事ですね。

鈴木: そうですね。そう感じたのは先日、突然カッピングのイベントをやった時なんですが、3日前に告知したのに30人くらいも集まってビックリしました。

GC: 30人!それ、すごいですね!

鈴木: その中でも特にビックリしたのが、好きなコーヒー豆の人気投票をやったんですけど、浅く煎ったケニアが一番人気だったんですよ。

それで、けっこうみんな好きなんだなというのを感じましたね。僕はブラジルとかコスタリカとかが人気上位に上がってくるかなと思ったんですが、アフリカ系で、結構攻めた焙煎が人気で、すごい可能性を感じましたね。

GC: なるほど。実際名古屋を肌で感じてみて、これからのコーヒーシーンやコミュニティについてはどう思いますか?

鈴木: 現状では、コミュニティって言うほどコーヒーをガツガツやっている人口がまだまだなので、ここからみんなで作っていこうみたいな話をしているところでした。

ぶっとんだ事をやって、コーヒーって堅苦しくなくて楽しいものなんだって伝えていければいいなって。

で、昨日も部屋真っ暗にして、ロウソク着けて、テクノをかけたりしながらカッピングやったりして(笑

GC: うわ!それいいですね(笑 ロウソクとテクノで、カッピングはかなりクール!

鈴木: しんみりやってもしょうがないだろって。なんか、新しい事をやっていきたいっていうのがあって。

でも、文化築いていくって言って、ちょっと突拍子も無い事どんどんやっていっていくけど、それでも、ちゃんと中身もしっかりしてないといけないなって。

正直、色々と叩かれるかもしれないけど、でも突拍子も無い事をやって、名古屋のコーヒーシーンを盛り上げていきたいなって思っています。

 

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GC: 今後、既存のカルチャーが残る名古屋の街で新しい文化を構築していくのは大変な事も多いと思いますが、
”TRUNK COFFEE BAR” として名古屋のコーヒーシーンをどう変えていきたいですか?

鈴木: そうですね、コーヒー色が強過ぎても面白くないので、そういう事もしたくないし。
とりあえず来たら美味しいコーヒーがあったという店が増えたらいいなっていうのが目的ではあるんですけど、でもやっぱり、今のところはコーヒーが前に出ている部分はありますね。。

あと、このお店をきっかけに本当に新しい文化を植え付けていきたいなと思っているんで、
ここだけでなく、色んな所とコラボレーションしながら「なんか最近、名古屋やばいじゃん」と言わせるまでやっていこうって
心の底ではすごく思ってますね。

 

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そんな目標を掲げる鈴木さんと一緒に、名古屋の今後のコーヒーシーンを牽引する、若くて熱いスタッフにも今の思いを語って頂きました。(写真左から安部氏、神谷氏)
GC: ではまず自己紹介を兼ねて、お二人の事をお聞かせ頂いてもよろしいでしょうか。

神谷: 僕はラテアートをやってみたかったっていうのがコーヒーに興味を持った一番最初のきっかけなんです。それから以前働いていた名古屋にある MITTS COFFEE STANDで勤務し、その際にカッピングに出会って、そこから一気にスペシャルティコーヒーにハマりました。

安部: 僕のきっかけはスターバックスでしたね。

そこからスペシャルティコーヒーを発信するお店が増えてくると同時に、カッピングについて少しずつ興味が出てきて。

神谷: そして、その時コーヒーショップで開催していたカッピングイベントで安部と知り合ったんです。働く場所も、学校も違う安部とコーヒーを通して意気投合して何か一緒にしたいねと話し合う様になったんです。

GC: コーヒーショップがきっかけでつながった2人という事ですね。その後はどんな活動をされていたのですか?

神谷: 僕らは東京の大学生が活動している Coffee Gear を知ってからずっと、すごいかっこいいなって思っていて。
大学生なのにこんなにかっこいい事やってるんだって。僕らももっと名古屋を盛り上げないといけないなって感じていました。

東京では大学生が Coffee Gear や Latte Club 等で活動しているんですけど、
名古屋では当初は僕ら2人しか居なくて、今はそこから少しずつ広がってはきていますがまだまだですね。

安部: そんな中で TRUNK COFFEE BAR ができて、そこで働き始めてから徐々に、大学生の若いコーヒーフリークが増えてきていて、今後すごい楽しみだなっていう話をよく2人でしています。

神谷: 「これからの若い人たちにコーヒーを」っていうのを僕たち2人がずっと思ってたんです。なぜかっていうと、あんまりコーヒー飲んでないんですよね、名古屋の若い人たちが。

GC: そもそも若者のコーヒー離れがあるんですね。それは意外でした。

安部: なので、名古屋の苦いコーヒーが好きっていう、そういった価値観も元々ないので、逆に新しいコーヒーの味に対して敏感に反応してくれるんですよね。

神谷: 僕は今年で大学3年目なんですが、学際でコーヒースタンドを開いたんです。そしたら、そこでの反応がすごいよくって、楽しかったんです。こんな美味しいんだねーっていう声も多くて、手応えを感じています。

安部: モーニング文化の価値の中で、ロースターを含め、こういうコーヒー屋さんが発信していく「これまで無かったもの」に対してお客さんが反応してくれるというのがすごく嬉しいです。

GC: 名古屋の土地に、新しいコーヒーカルチャーが受け入れられつつあるという実感があるんですね。その他コーヒーに対する思い等はありますか?

神谷: そうですね。僕たちがコーヒーに関わっている中でで一番好きな事が、人とつながれるという事。

大学生は大人の方や社会人の方とつながるきっかけが少ないので、コーヒーをきっかけにFacebook等で交流が始まったりするんです。その中でコーヒー系企業の社長さんや、デザイナーの方等と知り合えたりもして。そうやって色んな知り合いが増えていくんです。

コーヒー1つでそこまで広がっていくっていうのが面白いですね。

なので、これから色んな人を巻き込んで面白い事ができれば、名古屋のシーンも、もっともっと変わっていくのかなって思います。

名古屋はこれからリニアが開通したり、久屋大通を全部公園にする様な話があるんですけど、
そういった所にコーヒースタンドがあって、デートに使うだけじゃなくて美味しいコーヒーが飲めて、
色んな人が集まる「場」の様な存在にしていきたいですね。

また、そういうのをきっかけに「名古屋の街って楽しくていいよね」って言ってもらえる様、
名古屋のコーヒーシーンを盛り上げていきたいなって思っています。

 

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今回 TRNK COFFEE BAR さんの取材を通して、名古屋の現在のコーヒーシーンや、今後新しい変化をもたらそうとするバリスタの熱い話を聞かせて頂き、まだまだ始まったばかりの新しいコーヒーカルチャーの可能性と次世代の若い人達の力を感じ、その発信地がここにあるのではないかと思いました。

それと同時に、これからもこの名古屋特有の既存のカルチャーとうまく共存しながら深く浸透すれば、東京とはまた違ったコーヒーカルチャーが生まれるのではないかと感じます。

Good Coffee でも引き続き名古屋の動向をウォッチしていきたいと思います。

 

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